
2017.07.11 インタビュー
「Rice」 「Like」 「Life」ー 最高の働き方を見つける方法
※先輩後輩関係なので、フランクな言葉になっています。

新井 勇作氏
株式会社INFINITY AGENTS CEO / Founder / Photographer
慶應義塾大学経済学部卒INFINITY AGENTS専属
共同通信で記者兼カメラマンだった父の影響で幼少の頃より一眼レフに触れて育つ。大学卒業後、外資系コンサルティング会社に就職し、国内外のクライアント企業で経営戦略から人材育成まで幅広い領域でコンサルティング実績を積む。これまでのコンサルティング経験と写真を組み合わせた「フォトコンサルティング」としてINFINITY AGENTS Ltd.を創業。国内外の企業・組織から目的を達成する写真撮影・コンサルティングを請負っている。INFINITY AGENTS Ltd.では主に企画開発・営業の他、企業向けの撮影を担当。
会社 : INFINITY AGENTS Ltd.
Webサイト : http://00agents.jp/

左/片倉 健 右/新井 勇作氏
嫌いな仕事を続けている人は、人生もったいない!
片倉 ご無沙汰しております、本日はよろしくお願い致します。本日は新井さんと『副業』をテーマに、ざっくばらんに討議できればと思っています。
新井 よろしく!
片倉 まずは『残業』についてお話ししたいと思うのですが、ぶっちゃけた話、我々ってコンサルタント時代、信じられないほど残業したじゃないですか?誰よりも早く毎日朝日を見ていたと思うくらい。
新井 したね(苦笑)
片倉 私としては、若手社会人のうち、具体的には入社して1~3年くらいは、まだ働き方がわからず成果が出ないと思うので、労働時間で成果をカバーするという発想は仕方ないと思うのですが、5年目以降になっても残業している人って、あれは何なんですかね?
新井 まず社会人なりたてで、まだ仕事ができない段階での残業はある程度必要という話については、俺も賛成。最初はツメコミ教育も必要だと思う。仕事がある程度自分で回せるようになってきた状態で行き過ぎた残業をしているのは、①その仕事が好きすぎるか、②上司が仕事をコントロールできていないか、③実は仕事が回せていないか、のどれかなんだろうね。
片倉 ①ならラッキー、③は単に自己責任、②だったら不幸ですね(笑)でも、②のケースって本当に多そうですよね。上司や顧客の言いなりになって、ひたすら部下に無駄な作業させたり、外注先を叩くことでしか成果を上げられないビジネスパーソンが自分の上司だったら最悪です。サラリーマンをやるなら、せめてエース社員の下で働きたいものです。
新井 仕事って単純に『好き』か『嫌い』かが実はとっても大事で、『嫌い』なのに我慢してやっている人って本当に多いと思う。『嫌い』だけど『給与が異常に高い』みたいな仕事があるのは事実だし、そういう人は金のためと割り切って、嫌いな仕事を受け入れている印象がある。一方で、相当高い報酬があるわけでもなく嫌いな仕事を続けている人って、本当に人生もったいないと思う。
片倉 私は多額のお金で幸せは手に入らないと思っているので、嫌いな仕事で報酬が高い人についても、人生損していると思います。やっぱり自分がワクワクしない仕事を我慢して続けるのって時間がもったいない!そんな会社さっさと辞めた方がいい。だからといって、簡単に辞められるものではない、というのも事実です。そういう人はどうした良いと思いますか?

新井 俺は仕事には3つの種類があると思っているわけよ。
片倉 来ましたね!恒例の3つ!(笑)
新井 そうそう、恒例の!んで、①Rice Work(ライスワーク)、②Like Work(ライクワーク)、③Life Work(ライフワーク)の3つがあると思っているわけですよ。やっぱり、③を見つけられるのが最高の働き方だと思うんだけど、そう簡単にライフワークなんて見つけられるもんじゃない。
社会人で自立して生活していくためには、①のライスワーク、つまり食べていくための仕事をまずしなければならない。多くの人はこの段階で止まってしまうので、その仕事が本当に自分にハマっていなければ、そのまま続けていても②や③には到達しないと思うんだよ。
だから、俺はライスワークにがっつりハマれない人は、まずは②ライクワークを副業として始めてみるべきだと思っているんだよね。ライスワークに没頭できない人は、残業なんてしないで早く帰ってライクワークをしたほうがいい。それも仕事として取り組む意識でやってみる事。だから、ライクワークってのは、『積極的、公私混同』とも言えるね。
Rice Work × Like Workで見えてくる『Life Work』
片倉 そうなってくると、ライクワークの見つけ方、という論点になりそうですが、このあたりはいかがでしょうか?
新井 本当にそれは何でもいいと思う。歴史でも、アートでも、ゲームでも、ファッションでも何でも。唯一のポイントは、それをやり続けて『眠くならないこと』だと思う。これを見つけるには、これか!?と心がときめく「好きな」ことを少しでいいから多数かじってみるしかない。とにかくそのを見極めたらある程度の時間を集中して投資することで、普通の人より詳しく、可能であれば自分が上級レベルに達する事が一番大事。 そうして初めて、売れる(=仕事に出来る)ようになると思うんだよね。
片倉 なるほど。しかし、いざ稼ぐとなると、当たり前ですが好きで没頭しているだけではお金は降ってこないと思います。どのようにすれば、その『ライク』を『ライクワーク』、つまり『好きで稼ぐ』に持っていくことができると思いますか?
新井 その『ライク』なことに、『自分がする』『教える』『売る』『紹介する』『アドバイスする』『イベントを開く』『書く』という動詞を紐付けてみるといいと思う。例えば、写真を例にとってみると、『実際に写真を撮る』『写真の撮り方を教える』『撮った写真を売る』『知り合いのカメラマンを紹介する』『企業に広告写真の効果的な使い方をアドバイスする』『写真の展示会を開く』『写真について執筆する』といった感じで、好きなことを仕事にする方法はたくさん思いついてくるはず。仮に自分が写真を撮れなくても、詳しいだけでお金にする他の方法はいくらでもあるし、なんなら技術を身に付けながら仕事していく方法もあるはず。

片倉 なるほど、実に面白い考え方ですね。これで、副業で稼ぐというライクワークは実現できそうですが、せっかくなら好きなことだけで食べていける状態にもっていきたいものです。
新井 その手段は、これまで自分がやってきた『Rice Work』と新たに見つけた『Like Work』を掛け算することが答えだと思う。例えば、俺は元経営コンサルタントでフォトグラファーなわけよ。そうすると、専業のカメラマンよりも、多くの領域で価値を出すことができる。クライアントのマーケティング戦略全般の検討から、一つひとつの写真に至るまで自分一人で仕事にすることができる。そうすると、一般的なコンサルタントや一般的なカメラマンよりも高い収入を得ることができる。
そんなに好きでないかもしれないライスワークと言えど、せっかく自分が長い時間を投資してきたことなのでから、その仕事にもプライドを持つべき。ライスワークとライクワークを掛け合わせることによって、『Life Work』が見つかるのかもしれないと考えているよ。好きなことだけで食べていければ、それはライフワークと言えるよね。
片倉 いい話でまとめてきましたね(笑)最後に、新井さんが今どんなことをやっているか聞かせてもらえますか?
新井 俺の経営している会社は『トップアマ』という商標を持っていて、今は企業に勤めている『®トップアマフォトグラファー』とクライアントをマッチングする『ONE PHOTO』を運営しているよ。撮った写真をFacebookのアイコンにしてくれる人もいるし、俺も撮影現場に頻繁に行くのだけれど、新しい発見があって毎日がとても充実していると思う。俺はそういったアート領域に関心が強いから、今後は『ONE PHOTO』の事業モデルを様々な他のアート系の領域に展開していきたいと思っているよ。
片倉 素晴らしいですね!本日はありがとうございました。
EDITOR
編集者

片倉 健
株式会社ビタリー
取締役マネジングディレクター
慶應義塾大学経済学部卒。経営コンサルティング会社アクセンチュア(戦略グループ)、経営支援・M&Aアドバイザリー会社フロンティア・マネジメントを経て、ビジネス書要約サイト『flier』を運営するフライヤーを共同創業。同社CMOとして法人営業、ユーザー獲得、出版社とのアライアンス交渉といったマーケティング戦略全般を担当。
同社退職後、株式会社ビタリーを共同創業。新規事業戦略のコンサルティング案件を全般的に担当するほか、副業(サイドハッスル)にフォーカスした『cyha.jp』を統括。これまでに数十件の新規事業開発案件を担当。アクセンチュアでは、主に国内金融機関に対する、ビッグデータ解析、マーケティング戦略立案、オペレーション改革、リスクマネジメント案件、基幹システム開発等に従事。フロンティア・マネジメントでは、複数の小売企業の企業再生案件、新規事業案件等に従事。
専門領域は業種業態を問わず、先端テクノロジーを用いた新規事業開発。事業戦略の構築から、マーケティング戦略の立案、システム開発、オペレーション構築、管理会計整備に至るまで、幅広い分野に精通。日経BP未来研究所『新規事業創造塾』専任コーチ。趣味は読書とゴルフ。
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